次世代太陽電池に電線業界も動く
伸縮電線やFPCの採用を期待
経済産業省は、次世代型のペロブスカイト太陽電池を、2040年度に累計20GW程度導入する目標を発表した。11月28日には、40年に海外市場で500GW以上導入、発電コスト15円/kWh、中期計画などの具体案が盛り込まれた。ペロブスカイト太陽電池は、軽くて折り曲げられることから、国土が狭い日本と相性が良い。国内樹脂メーカーが実証実験を進めるほか、電線メーカーも伸縮電線やFPCなどの採用に動き出している。
市場変化の対応に注力、「一期一会」を大切に
今年6月にミハル通信の代表取締役社長に就任した岩田春樹氏が本紙のインタビューに応じ、「市場の変化に対応しながら売上を伸ばす」と抱負を語った。中期的にはエンジニアの技術力強化とIP技術の展開を軸に、売上高100億円以上を目指す。同社は、ほとんどの製品を鎌倉工場で開発し、技術・営業の両部門の連携力に強みを持つ。岩田社長に、経営理念や極超低遅延技術の課題について聞いた。
電力部門は1カ月ぶりに増加
日本電線工業会がまとめた銅電線主要7部門別出荷数量の9月分実績および10月分推定によれば、9月分実績は合計5万3千540d(前年同月比1.5%増)で4カ月振りの増加となった。部門別では、電気機械、自動車、建設・電販の3部門がマイナスとなったが、その他の部門はプラスとなった。金額は1千598億9千800万円(同12.0%増)で、銅建値が130万円台まで下落したものの、43カ月連続増となった。10月分推定については、5万6千800d(同3.0%増)とした。
リサイクル経験「なし」が85%に上昇
CIAJとTCAが立ち上げたモバイル・リサイクル・ネットワーク(MRN)は、23年度のスマートフォン・携帯電話のリサイクル・下取りに関する調査結果を発表した。スマホ・電池ともに回収台数は増加したが、回収率は22年度比で減少した。利用者向けのアンケートでは、「リサイクル・下取りした経験」が「ない」と回答したのは85.1%で増加した。主に専売ショップでリサイクル方法の認知度向上が進むが、利用者の間では、回線契約解除後も保有して2次利用する傾向は依然として強い。
アキシャルギャップモータの高出力化に貢献
住友電工は、以前から絶縁塗装処理した圧粉磁心を生産しているが、今回は膜厚40μmで絶縁耐圧5kVの絶縁コーティングを施した圧粉磁心を開発した。固定子に巻く銅線(コイル)のターン数が約14%増加し、またコイルの熱を効率よく放熱できることから、アキシャルギャップモータを高出力化できる。
車載向けデバイスなどに適応
フジクラは、定格電流7Aの電源コンタクト4端子に加えて、0.5Aの信号コンタクト4端子、2.5Aのメタルキャップ2端子を配置した大電流用小型コネクタを開発した。電子機器の技術が急速に進み、モバイル・ウェアラブル端末や車載向けデバイスにおけるバッテリーの大容量化や急速充電のニーズに同社は応える。
認知症患者ケアを目指す
介護付有料老人ホーム「ディアージュ神戸」で行われている実証試験では、ソーシャルロボットが認知症特有の「繰り返される会話」「規則性のない会話」に対応するなど、認知症患者とロボットの会話が成立することが確認された。今後は多様な認知症ステージに適用できるよう、AI技術を活用したコミュニケーション機能の充実化や、認知症の方の見守り機能の搭載を目指す。