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2025年5月19日

大手電線決算/4社とも増収増益、過去最高続出


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データセンター需要で強い追い風

大手電線メーカー4社の24年度第通期業績が出揃った。営業利益ベースでみると全社が増収増益となっており、過去最高の業績が続出した。生成AIの進展によるデータセンター需要の拡大をはじめ、さまざまなプラス要因が重なった。一方で米国の関税政策の影響など、国際情勢は不透明さを増しており、今後に関しては楽観視できない。


そこが聞きたい/丸紅エレネクスト 山田覚之執行役員

特殊コネクタ・接続部品に強み

丸紅エレネクストの特殊部品カンパニーは、日本に代理店のないサプライヤーの日本総代理店として、主に欧州の電気・制御部品の輸入販売に携わっていたソルトンが前身だ。特殊なコネクタ・接続部品を取り扱い、汎用コネクタを得意とする丸紅エレネクスト(旧河野エレクトロニクス)と24年に合併してからは、お互いの強みを生かしたシナジー効果を発揮している。同社の山田執行役員に、得意とする分野や注力製品を聞いた。


住友電工決算 6%増収、営業益42%増

25中計を前倒しで達成

住友電工の25年3月期通期連結業績は、売上高4兆6千797億8千900万円(前年度比6.3%増)、営業利益3千206億6千300万円(同41.5%増)となった。自動車分野ではワイヤーハーネスの需要が堅調に推移したほか、環境エネルギー分野では電力ケーブルや受変電設備の需要が拡大した。また、情報通信分野ではデータセンター関連市場向けの需要が拡大し、売上高が増加した。利益面でも徹底した生産性改善やコスト低減、売値改善に努め、売上高、営業利益、経常利益、純利益のいずれも過去最高を更新した。


古河電工決算 14%増収、営業益4.2倍

全項目で前年度実績と前回予想を上回る

古河電工の25年3月期通期連結業績は、売上高1兆2千17億6千200万円(前年度比13.7%増)、営業利益470億9千700万円(同4.2倍)となった。全項目で前年度実績と2月に公表した前回予想を上回り、増収増益。なお、海外売上高は6千378億円(同17.0%増)、海外売上高比率は53.1%(同1.5ポイント増)となった。


フジクラ決算 売上高2割増、営業益95%増

売上高や各段階利益は過去最高

フジクラの25年3月期の通期連結業績は、売上高9千793億7千500万円(前年度比22.5%増)、営業利益1千355億1千900万円(同95%増)、経常利益1千372億4千万円(同96.8%)となった。売上高や各段階利益はいずれも前年度を大きく上回って過去最高となり、売上高と営業利益は2025年中期経営計画の最終年度目標を上回った。


SWCC 「JECA FAIR 2025」にTOTOKUと共同出展

素材から二次加工製品の提案まで

今回の「JECA FAIR 2025~第73回電設工業展~」では、SWCCとTOTOKUは初の共同出展となり、TOTOKUは冷却ケーブル「RUOTA(ルオータ)」を展示する。フッ素樹脂を用いて長手方向に均一な空隙を成形し、空隙部分に水や空気などの冷媒を通すことで、電線の冷却を可能にする同製品は、細く、そして軽い点が特長だ。SWCCは電動車向けの電装部品であるバスバー用「耐火仕様被覆付き平角線」を展示する。

詳細は記事提供先(技術動画サイトExpoX)へ


大宮精機 平角線用押出ラインを刷新

電動自動車の普及で平角線の被覆ニーズが急増

電線被覆装置・押出成形機を手掛ける大宮精機(静岡県富士宮市・金子建太郎社長)は、平角銅線への対応強化を目的に、試作ラインを大幅にモデルチェンジした。近年、電動自動車の普及が拡大し、モータの高出力化に伴ったヘアピンワイヤーやバスバーを含む平角銅線の使用増加、高電圧対応を目的としたスーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)の使用が検討されている。そのため、平角銅線への対応強化を目的に、試作ラインを大幅に刷新した。

詳細は記事提供先(技術動画サイトExpoX)へ




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